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機能性腺腫には、主なものに成長ホルモン産生腫瘍、副腎皮質刺激ホルモン産生腫瘍、プロラクチン産生腫瘍の3つがあります。ここでは、プロラクチン産生下垂体腺腫について説明します。
プロラクチン産生下垂体腺腫
プロラクチン(PRL)を産生するタイプの下垂体腺腫では、血中PRLが持続的に上昇し、女性の多くで無月経や乳汁分泌が起こるようになります。また、男性女性に限らず、性機能の低下を認めることが多いです。
症状の特徴
- 女性では月経異常を伴う乳汁分泌、不妊
- 男性では性欲低下、陰萎、乳汁分泌
- 視力障害・視野狭窄
下垂体腺腫では、腺腫内に出血が生じ,急激な頭痛、視力障害、眼筋麻痺、意識障害を生じる下垂体卒中(pituitary apoplexy)を起こす例がありますが、PRL産生腫瘍は、他の腫瘍に比べ経過中に下垂体卒中を起こす割合が高いといわれています。
経過と予後
治療を行わなかった場合には、上記症状が継続する。しかし、成長ホルモン産生腫瘍や副腎皮質刺激ホルモン産生腫瘍に比べると、全身合併症は少なく、生命予後は非機能性下垂体腺腫同様、良好です。
治療の目的
PRL産生腫瘍では、治療の目的は様々です。比較的大きな腫瘍では、腫瘍の増大によって引き起こされた視神経や正常下垂体に対する圧迫症状の改善が主目的となるでしょう。また、妊娠出産を希望する女性では、血中のPRL値を正常化し、正常な性周期を取り戻すことが中心となる場合もあります。