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- 各々の治療法の利点・欠点を考慮した下垂体腺腫に対する治療方針
下垂体腺腫における治療では、治療の有効性・合併症の低さを考慮すると、手術による腫瘍の摘出が第一選択です。
しかしながら、高齢者や全身合併症により、全身麻酔下での安全な手術が困難な患者や、術後残存症例に対する治療としては、ガンマナイフ等の放射線治療は重要な役割を果たしています。残存腫瘍が小さく、視神経や視交叉との距離が充分保たれているようであれば、ガンマナイフを選択すべきでしょう。
しかしながら、ガンマナイフは長期的な治療成績については不明の点が多く、若年者に対して適応する場合には、特に十分なインフォームドコンセントを得る必要があります。又、腫瘍の残存が大きく、視神経系との距離が充分保たれていない場合には、再手術を行うか、従来の分割照射による放射線治療を選択することが、望ましいです。
このように、治療法の多様化に伴い、それぞれの患者様が、手術を受けるべきか、ガンマナイフで治療すべきか、又は、薬物療法で様子をみるべきかの判断が、非常に専門化され、複雑化しています。