NIHSSの取り方について詳しく説明していきます。以前説明しましたが、NIHSSの最大の目的は、脳卒中患者の神経症状を素早くかつ客観的に評価することです。脳卒中の診断、重症度の評価、治療効果のモニタリングなどに広く使用されます。また、治療適応を決める際の基準にもなります。脳卒中は緊急の治療を要することが多く、治療が遅れることで、機能的予後に影響が出る病気です。ですから、早期に症状の重症度を的確に判断することが最も重要なのです。詳しくはこちらをご覧ください。
注意点
以下の注意を守り実施していきます。
1. 検査はリストの項目順に行う
2. 結果をすぐ記録し、迅速に進める
3. 検査済の項目に戻って評点を変えてはならない
4. 各項目に定められている方法に従って評価する
5. 評点は患者が実際に遂行したことに基づいて行い、推測で評点してはならない
6. 指示されている部分を除き、患者を誘導してはならない
NIHSS 1 a意識水準
言語刺激や痛み刺激により覚醒レベルを検査します。
0点:完全覚醒
⇒声をかけずに観察します。
無刺激で覚醒している状態です。
1点:簡単な刺激で覚醒
⇒閉眼している時に声かけをして覚醒した状態です。
2点:繰り返し刺激、強い刺激で覚醒
⇒声かけをしても反応せず、繰り返し揺する、または痛み刺激などを加えながら声をかけて覚醒する状態です。
3点:完全に無反応
繰り返し揺する、または痛み刺激などを加えながら声をかけるが覚醒しない状態です。
NIHSS 1 b 意識障害:質問
「今の月」と「年齢」を質問し、見当識と記憶を検査する
0点:両方正解
⇒例)看「今何月ですか?」 患「10月です」 看「年齢は何歳ですか?」 患「70歳です」
1点:片方正解
⇒例)看「今何月ですか?」 患「10月です」 看「年齢は何歳ですか?」 患「20歳です」
2点:両方不正解
⇒例)看「今何月ですか?」 患「%$&月です」 看「年齢は何歳ですか?」 患「・・・」
NIHSS 1 c 意識障害:従命
眼を“閉じる”“開ける”、手を“握る”“開く”を指示し、1段階命令に対する従命の可否を検査する
- 命令は2段階命令ではなく1度に1つの動作命令で行ってください。
- 「手を握る」命令の時は検者の手を握らせないように実施してください。
0点:両方可
1点:片方可
⇒[開閉眼]or[手を握る開く]どちらか一方できる状態
2点:両方不可
⇒[開閉眼]・[手を握る開く]どちらもできない状態
上記がNIHSSの意識の評価となります。
次回は2 最良の注視について説明します
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