2024年2月22日にデンマークの製薬会社ノボノルディスクが開発した肥満症治療薬「ウゴービ」(一般名:セマグルチド)が日本で発売されます。アメリカでは2021年に既に保険適用が承認されており、イギリス、ドイツなどに次ぎ6か国目の承認で、アジアでは初めての発売となります。
本薬剤は、グルカゴン様ペプチド(GLP)-1受容体作動薬に分類され、満腹中枢に作用し、食欲を抑制することで肥満を軽減する効果があります。
高血圧、糖尿病、脂質異常症のいずれかを持ち、食事運動療法などによる効果がない肥満症で、肥満度を表す指数であるBMIが35を超える患者、あるいはBMI 27以上かつ2つ以上の肥満関連併存疾患がある人が投与の対象となります。
ウゴービの投与方法は通常の点滴などとは異なり、週に1回の皮下注射です。容量は5段階設定されており、最も少ない0.25mgから最も多い2.4mgまであります。
世界的に本薬剤の需要が高まっており、生産が追い付いていないとのことですが、適応外使用による薬不足が最大の問題となりえます。同じ成分の糖尿病薬が、美容やダイエット目的に使用されているケースがあることから、自費診療(10割自己負担)で適応外使用される可能性があり、本来必要としている患者さんに提供できなくなることが懸念されます。
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