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ApoE遺伝子検査とは?

検査

ApoE遺伝子型について

認知症の大部分を占めるアルツハイマー型認知症は、「アミロイドβたんぱく」という老廃物が脳に蓄積し、神経細胞障害を与えることが原因で発症すると言われています。アルツハイマー型認知症では、遺伝学的に発症リスクが高い人と低い人がいます。ApoEとは、「アポリポたんぱく」の1つであり、アミロイドβ蛋白の蓄積や凝集に関わっています。ApoEたんぱく質はApoE遺伝子の配列によって構造が決まっています。ApoE遺伝子にはε(イプシロン)2, ε3, ε4の3種類あり、その組み合わせによって、アルツハイマー型認知症発症のリスクは変わってくるのです。全ての遺伝子は、父親、母親それぞれから1つずつ受け継ぎ対になっています。

 ε2ε3ε4
ε2  
ε30.6倍 (約10%の方が該当)基準 (約60%の方が該当) 
ε43倍3倍 (約20%の方が該当)12倍 (約1%の方が該当)

上の表のようにε4を1つでも持つ方は、1つも持たない方に比べて、約3倍アルツハイマー型認知症の発症リスクが高いです。また、両方ともε4の方の場合は、発症リスクは12倍にまで上昇します。

ApoE遺伝子検査とは?

医療機関で約5ccの採血を行い、ApoEの遺伝子型を検査することで、アルツハイマー型認知症の発症リスクを知ることができます。あくまでもリスクの高低の検査であり、将来発症することを判定できるものではありません。もちろん、ε4遺伝子型があったとしても、アルツハイマー型認知症を発症するとは限りません。本認知症は、生活習慣病などもリスク因子と言われています。よって、生活習慣の改善が発症を遅らせることにつながります。遺伝子型によらず、生活習慣の改善は、認知症だけでなく、ありとあらゆる病気の予防に重要です現在の医療技術では、遺伝子型を特定することができたとしても、遺伝子型にあわせた個別化治療を受けられるわけではありません。検査費用は約1万5千円から2万円と比較的高価ですので、検査を受けるかどうかは、皆様の判断にゆだねられるところです。

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