頭部外傷(頭を打った)
頭のけがの大部分は、頭蓋骨の外側だけが損傷します。
意識がしっかりしていれば、脳への影響は非常に少ないですが、
一方で、意識がはっきりしない、手足が動かない、けいれんが起きるなどの異常があれば、
早急に処置が必要なこともありますので注意が必要です。
子供の頭部外傷
お子様の場合は、CT検査の放射線による発がんのリスクが報告されています。
軽い頭部外傷で意識がしっかりしていれば、基本的にCT検査は奨められず、経過観察することが大切です。
一方で、意識がおかしい、頻回に吐く、重症な受傷状況、激しい頭痛などがある場合は、たとえ子供であってもCT検査により問題がないか確認する必要があります。
高齢者の頭部外傷
高齢になると様々な病気から転倒のリスクが高まります。特に、
・脳卒中やパーキンソン病などによる運動機能の低下
・認知症による脳機能の低下
・起立性低血圧や不整脈による脳の血流障害
・脊柱管狭窄、関節リウマチなどの運動器の機能低下
・白内障、緑内障などの視力低下
・睡眠剤によるふらつき
などさまざまな原因で転倒してしまうのです。
特に血液をサラサラにする薬を飲んでいる方では、頭の中で出血を起こすリスクが高いため、必ずCTで出血の有無を確認する必要があります。
どんな病気になるの?
脳の表面の静脈が破れてしまうことで、脳を包む硬い膜(硬膜)の下に血がたまる病気です。
最初のCTで、たとえ血の量が少なくても、血腫が急に増えて脳の圧迫が強くなり、意識が悪くなったり、呼吸が止まったりすることもあります。
そのような場合には、頭を大きく開けて(開頭手術)、血腫を取り除き、出血している部分を止血します。
多くの場合、脳を包む硬い膜(硬膜)の表面にある動脈が、頭蓋骨の骨折によって傷ついてしまい、頭蓋骨と硬膜の間に血がたまってしまう病気です。この病気の特徴は、病院に運ばれたときには、意識がはっきりしていても、数時間後に意識がなくなることがあります。急性硬膜下血腫と同様に、血腫が増えることで、意識が悪くなる、呼吸が止まるなどの重症な状態に進行してしまいます。そのような場合には、頭を大きく開けて(開頭手術)、血腫を取り除き、出血している部分を止血します。
頭を打って数か月後に頭蓋骨の中にチョコレートのような色の血がたまる病気です。くわしくは、こちらをご覧ください。
頭部外傷も時には重症になることがありますので、呼びかけに反応が乏しいなどの異常があれば、すみやかに脳神経外科を受診しましょう。
noteにも掲載しています。
⇒https://note.com/nouproblem/n/ne26a6f4fa0fd
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