NIHSSとは?
NIHSSとは、National Institutes of Health Stroke Scaleの略語であり、アメリカ国立衛生研究所(NIH)が開発した、脳卒中の重症度の標準的な評価尺度です。意識レベル、眼球運動、視野、運動機能、失調、感覚機能、発語、注意障害などの異なる11項目について、判定表に従って点数化されます。各項目は大まかに0から4のスコアで評価され、総合スコアは0から40点の範囲までで表されます。0点はNIHSS上で症状がないことを指し、40点が再重篤な神経学的障害があることを意味します。
NIHSSの目的とは?
NIHSSの最大の目的は、脳卒中患者の神経症状を素早くかつ客観的に評価することです。脳卒中の診断、重症度の評価、治療効果のモニタリングなどに広く使用されます。また、治療適応を決める際の基準にもなります。脳卒中は緊急の治療を要することが多く、治療が遅れることで、機能的予後に影響が出る病気です。ですから、早期に症状の重症度を的確に判断することが最も重要なのです。
NIHSSの内容
NIHSSの11項目を表にまとめていきます(下図参照)。
NIHSSの評価方法
全てのチェック項目に関して、点数が定められており、全てを合計して評価点を出します。最大は42点になりますが、麻痺があるときには失調はカウントしないので、実際の最高点は「40点」になります。
失語症がある患者さんでは、多くの項目で加点されてしまい、高い点数が出る傾向にあります。また、後方循環系の脳卒中で意識障害を伴わない場合には、点数が低く出る傾向にあります。NIHSSによる点数だけではなく、患者さんの全身状態をよく観察し、総合的に治療方針を決めることが重要です。
tPAを行う際には、投与開始から終了までは15分毎、投与終了後から6時間までは30分毎、その後24時間までは1時間ごとにNIHSSによる評価をすることがガイドラインで定められています。
noteにも掲載しています。
⇒https://note.com/nouproblem/n/nb7e44e54cf09
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