はじめに
もやもや病は、脳の血管に生じる病気です。「内頚動脈」という頭の血管が片側もしくは両側とも細くなり、その結果、脳の血液が不足してしまいます。血液の不足を代償するために、ちりちりとした細い血管が、脳の深い部分で発達します。この血管のことを、「もやもや血管」と呼びます。
もやもや病の原因
もやもや病の原因はわかっていませんが、家族性のものが15%程度あることや、日本人、中国人、韓国人などの東アジア人に多いことから、遺伝子の関与が考えられてきました。特に、「RNF213」という遺伝子に特定の変異がある患者の割合が日本人もやもや病の70-80%程度にあることが報告されており、強い関連が示唆されているのです。
もやもや病の症状
もやもや病の発症形式は大きく分けて2つあります。脳の血流が低下する虚血型と、細かい血管が破れて出血する出血型です。虚血型とは、脳の血流が低下してしまうことで、一過性脳虚血発作や脳梗塞を起こし、手足の麻痺や言語障害、視野障害などのさまざまな症状を起こすことがあります。
出血型とは、主に脳出血を起こすものを指します。脳の深い部分に発達した細い血管は非常にもろく、時に出血してしまうことがあるのです。出血がひどい場合には、意識が悪くなってしまったり、ひどい場合には亡くなってしまったりする可能性もあります。また、1度出血を起こすと、再出血する確率が高いですので、適切な治療が必要となります。
もやもや病の治療
一過性脳虚血発作や脳梗塞など脳の血流が足りない場合には、バイパス手術を行うことで、脳の血流を改善することができます。近年は、出血型もやもや病においてもバイパス手術の有効性が証明されており、再出血を減らすことができると言われています。
最後に
もやもや病は脳の血管の生じる病気で、難病指定されています。大学病院などでは、「もやもや病」に特化した外来が設けられていることもあります。診断から治療まで、方針の決定には専門的な知識が必要ですので、高度な医療機関を受診することをおすすめします。
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