はじめに
脳卒中(のうそっちゅう)は、脳の血管が詰まったり、破れたりすることにより、脳に酸素や栄養が十分に届かず、脳細胞が死んでしまう状態をさします。日本では高齢化社会の進展に伴って、脳卒中患者数が増加しています。また、寝たきりの原因の約25%を占めており、脳卒中の発症予防は重要な社会課題となっています。本記事では、脳卒中の種類とその予防の重要性について探ってみたいと思います。
脳卒中の種類
脳卒中には大きく3つの種類があります。1つ目は、脳血管が詰まる「脳梗塞」です。血のかたまりやコレステロールのかたまりである「プラーク」が頭の血管を詰まらせることで、血液の流れが途絶え、脳細胞がダメージを受けてしまいます。2つ目は、脳血管が破れる「脳出血」です。細い脳血管が、高血圧などが原因で破れ、出血によって周囲の脳組織が圧迫され損傷します。3つ目は、脳の血管にできた「コブ」が破れるくも膜下出血です。「コブ」が破れて出血する際に、激しい頭痛を起こし、意識がなくなってしまう場合もあります。この病気は社会復帰率が30%程度と非常に重症な病気です。いずれのタイプも重篤な後遺症を残すことがあり、早期の発見と予防が重要です。
発症予防の重要性
脳卒中は突然発症することが多く、発症して脳がダメージを受けてしまうと、なかなか回復が難しいことがあります。予防によって、脳に与えるダメージを最小限に食い止めることができるため、積極的な対策が求められるのです。多くの脳卒中は生活習慣の改善や脳ドックなどで発症を予防することができます。上の図に示したように、高血圧が脳卒中の最大のリスク因子です。ですので、血圧を毎日測定し、適切な値になるように生活習慣の改善と飲み薬の継続を実践することが重要です。その他にも糖尿病、脂質異常症、多量飲酒、喫煙、心房細動(不整脈の一種)などはさまざまな種類の脳卒中の原因となります。
具体的な予防策
1. 健康的な食生活の実践
脳卒中のリスクを減らすためには、塩分や脂肪の摂り過ぎに注意し、バランスの取れた食生活を心掛けることが重要です。野菜や果物を豊富に摂取し、食物繊維を意識することで、血管の健康を保つことができます。
2. 適度な運動
適度な運動は、血流を良くし、血管を強化する助けとなります。日常的にウォーキングやストレッチなどの運動を取り入れることで、脳卒中のリスクを低減させることができます。
3. 禁煙・禁酒
喫煙や過度の飲酒は、動脈硬化を助長し、脳出血やくも膜下出血発症のリスクを高めます。禁煙や飲酒の量を減らすことで、脳卒中の発症リスクを抑えることができます。
4. 定期的な健康診断の受診
定期的な健康診断は、病気の早期発見につながります。高血圧、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病は、無症状のまま進行することがあるため、定期的な健康診断を受けることで、早期の治療や対策が可能となります。また、脳ドックを受けることで、頭や首の血管の狭窄(血管が狭くなる)や動脈瘤などの異常を早期に発見することができ、それにあわせた対処行動が可能になります。
まとめ
脳卒中は突然発症する病気であり、その後遺症は重いものとなる場合があります。しかし、脳卒中は予防可能な病気でもあるのです。健康的な食生活、適度な運動、禁煙・禁酒、定期的な健康診断など、生活習慣を見直すことで脳卒中のリスクを大きく軽減できます。特に高齢の方や生活習慣病を抱えている方は、積極的な予防対策を取り入れて、健康な脳を保つよう心掛けましょう。
noteにも掲載しています。
⇒https://note.com/nouproblem/n/n4a03a2117cac
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