はじめに
シャント手術とは、水頭症の患者さんに対して、余分にたまった髄液をお腹などに流すことで、脳の機能を取り戻す手術です。シャントは、主に3つの方法があり、患者さんの状態や過去の病気などによって使い分けます。
- 1. V-Pシャント(脳室腹腔シャント):頭からお腹にチューブを通します。
- 2. L-P シャント(腰椎腹腔シャント):腰からわき腹を通ってお腹にチューブを通します。
- 3. V-A シャント(脳室心房シャント):頭から頚静脈を通って心臓にチューブを通します。
チューブは基本的に生涯埋め込んだままですので、感染症には特に注意が必要です。
シャント手術の詳細はこちらをご覧ください。
手術のキズはどこにある?
1. V-Pシャントの場合
頭、耳の後ろ、お腹に数cmのキズがあります。時に鎖骨の上にも小さい石灰を加える場合があります。症例によってキズの数が異なってきますので、傷が何個あるか手術をした医師に確認しましょう。
2. L-Pシャントの場合
背中、わき腹、お腹の通常3か所に数cmのキズがあります。
3. V-Aシャントの場合
頭、耳の上、首の通常3か所に数cmのキズがあります。
シャントバルブはどこにある?
シャントシステムはシリコンチューブでできていますが、ただ単に管があるわけではなく、途中で流量をコントロールする調節器が付いています。この調節器のことを(圧可変式)バルブと呼びます。シャントバルブの位置は、手術法によって異なってきます。また、手術を行う医師により異なりますので、一般的な場所を示します。
- 1. V-Pシャントの場合:耳の後ろや側頭頭頂部
- 2. L-Pシャントの場合:背中の外側や骨盤の上。
- 3. V-Aシャントの場合:耳の後ろや側頭頭頂部
シャント手術は、手術する医師によってやり方が少しずつ異なってきますので、キズの位置とバルブの把握は大切です。
バルブの圧の調整法
バルブの圧は磁石によって行われます。ですから、磁気が強いものに近づけてはいけません。磁気枕、磁気アクセサリーは使用できませんし、バルブの部分に冷蔵庫のドア、ヘッドホン、テレビなどのスピーカーを接触させてはいけません。
シャント手術の後に気をつけること
シャント手術のあとに最も気をつけるべきことは感染症です。多くの感染症は手術後2カ月以内に起きています。長期間、悪寒発熱が続く場合は、感染症の可能性があります。もし感染している場合には、チューブを抜かなければなりません。また、激しい運動などにより、チューブが切れてしまう場合もあるので、注意が必要です。
noteにも掲載しています。
⇒https://note.com/nouproblem/n/n542a18645fc3
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