心原性脳塞栓症とは?
心臓に血栓ができ、その血栓が心臓→首→頭と飛んでいくことで、脳梗塞を発症します。
このような脳梗塞の種類を心原性脳塞栓症と呼びます。主に非弁膜症性心房細動という不整脈が原因で発症します。
非弁膜症性心房細動とは?:
まず、心房細動とは、心臓の頭側にある心房という部分がうまく収縮せず、ピクピクするように細かく震えることで脈のリズムが乱れる病気(不整脈)です。心臓の中の血液がうまく流れずよどんでしまうことで、血栓ができてしまいます。
心臓には、4つのお部屋がありますが、それぞれの部屋の出口に弁という逆流を防止する機構が備わっています。加齢、感染症、外傷などで弁が正常に機能しなくなることを弁膜症といいます。非弁膜症性心房細動とは、文字通り、「弁に異常がないにもかかわらず、心臓の一部がピクピクしてしまう不整脈」のことです。
CHADS2スコアとは?(脳梗塞のリスクを予測する!)
CHADS2スコアとは、非弁膜症性心房細動の方の脳梗塞の発症リスクを評価するためのものです。CHADS2という名前は脳梗塞の発症に関連する危険因子の英語の頭文字を並べたものです。
Congestive heart failure | うっ血性心不全(心臓がうまく収縮せず送り出せない状態) |
Hypertension | 高血圧(血圧140/90mmHg) |
Age | 年齢が75歳以上 |
Diabetes mellitus | 糖尿病 |
Stroke/TIA | 脳梗塞/TIAの既往 |
それぞれの項目が1点ですが、最後の脳梗塞/TIAの既往のみ2点加算されます。
このスコアの値が1点以上の場合(つまりどれか1つでも該当する場合)、脳梗塞を発症するリスクが高くなることから、脳梗塞になるのを予防するために抗凝固薬(血液が固まるのを防ぎサラサラにするお薬)を検討しなければなりません。
飲み薬の必要性について
心房細動による脳梗塞は、血栓が脳の大きい血管に詰まることから、重症化することが非常に多い病気です。ですので、飲み薬の必要性について十分理解していただく必要があります。
途中で薬を中断することは非常に危険です。一方で、サラサラのお薬を飲んでいると血が止まりにくい傾向にありますので、ケガや転倒には十分注意してください。
歯の処置などを行う前には、主治医に薬をどのくらい止めてよいかなどしっかり確認しましょう。
noteにも掲載しています。
⇒https://note.com/nouproblem/n/n235faf6feeb5
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