CTとMRIについて
頭の代表的な画像検査には、CTとMRIがあります。それぞれ特徴が異なっておりますので、詳しく解説していきます。
CT検査
検査方法
コンピュータ断層撮影法(Computed Tomography)の略語で、放射線を使用します。頭の周りを360度方向から連続的に放射線(X線)を当てることで、頭蓋骨の中の状態を検査します。X線は脳の場所や病気の有無によって、吸収される量が異なってきます。その違いを利用して、頭の中の状態を画像情報として収集します。検査時間は3~5分程度です。
どのような病気がわかるの?
脳出血やくも膜下出血、時間がたった脳梗塞、脳腫瘍など多くの病気が分かります。また、頭をぶつけたあとの脳の大きな損傷や頭蓋骨の骨折の有無も確認できます。一方で、発症してからあまり時間がたっていない脳梗塞は、CTではわかりません。
検査を受けられない方
以下のような方は検査を受けられないことがあります。
・妊娠中、妊娠の可能性がある方
また、取り外しできない金属がある方や、ペースメーカーを埋め込まれている方も検査できない場合があります。
造影CT検査
ヨード造影剤という液体を点滴から注入することで、特に血管の病気を調べることができます。基本的には安全に使用できますが、アレルギー反応により、かゆみや発疹があらわれる場合があります。
以下のような方は造影検査を行えません。
・腎臓が悪い方
・喘息の方
・過去に造影剤使用で副作用を起こした方
また、授乳中の方は、担当医との相談が必要になります。
MRI検査
検査方法
磁気共鳴画像診断装置(Magnetic Resonance Imaging)の略語で、大きな磁石の中に入って行われるものです。放射線を使用しない検査ですので、被ばくを心配する必要はありません。体の中には多くの水が含まれており、水の構成要素である水素原子が自由に動き回っています。水素原子を強力な磁場にさらすと、規則正しく整列する性質があります。この性質を用いて、組織を画像情報として出力します。CT検査と比較して、色の濃淡がCT検査よりもわかりやすいので、病変がよりはっきりと確認できることがあります。一方で、骨と空気の区別が難しいです(CTでははっきりとわかります)。検査時間は20-60分程度です。狭いところでじっとしていなければいけませんので、閉所恐怖症の方は鎮静剤を使うことがあります。
どのような病気がわかるの?
発症してあまり時間がたっていない脳梗塞を確認することができます。また、頭や首の血管の病気(脳動脈瘤、脳動静脈奇形、頸動脈狭窄症、頭蓋内動脈狭窄症)についても診断できます。脳腫瘍についても、造影剤と組み合わせることで、どのような種類か判別できる場合もあります。
検査を受けられない方
以下のような方は検査を受けられないことがあります。
・心臓ペースメーカーがある方
・人工内耳、人工中耳の方
・手術などで体の中に金属が埋め込まれている方
・全身に入れ墨がある方
・妊娠初期の方や妊娠の可能性がある方
造影MRI検査
ガドリウム造影剤という液体を点滴から注入することで、特に脳腫瘍の種類などについて詳しく調べることができます。基本的には安全に使用できますが、アレルギー反応により、かゆみや発疹があらわれる場合があります。
以下のような方は造影検査を行えません。
・腎臓が悪い方
・喘息の方
・過去に造影剤使用で副作用を起こした方
また、授乳中の方は、担当医との相談が必要になります。
noteにも掲載しています。
⇒https://note.com/nouproblem/n/n48df0860007d
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